お気に入りのチョコレートや飲み物とともに過ごせば、よりくつろぎの読書時間に。
読書×チョコレート。
チョコレートの奥深い世界を知ると、また違った味わいを楽しめるかもしれません。
チョコレートの気分を高めてくれる、読みやすい本を紹介します。
<小説>
『赤毛のアン』 ルーシー・モード・モンゴメリ (著) 新潮文庫
1908年に発表された、モンゴメリーの長編小説。カナダのプリンスエドワード島を舞台に、孤児アンの成長を描きます。
手違いからマシュウとマリラの老兄妹に引き取られたアン。
マシュウが買ってきたチョコレート・キャラメルをアンに手渡します。アンは親友のダイアナにも分け合うことにしました。
おすそわけをできる幸せを感じる、温かい場面です。
『こころ』 夏目 漱石 (著)
夏目漱石の代表作の一つです。
『こころ』では、チョコレートを塗ったカステラが登場します。先生の奥さんが紙に包んで渡してくれたものです。
チョコレートのカステラは、幸福を表すものとして描かれています。
日本を代表する小説家の夏目漱石は甘いものが大好きだったといいます。複数の作品中に、チョコレートが登場します。
『行人』 夏目 漱石 (著)
妻と理解しあえず、両親や親族からも敬遠されている主人公。孤独に苦悩していく心の葛藤が描かれています。
『行人』では、チョコレートが銀紙に包まれ、語り部である主人公の弟が頬張る様子が出てきます。
小説は1912年(明治45年)から翌年にかけて『朝日新聞』に連載されました。森永が日本で初めてチョコレートを生産してから数年後の時代です。
『ショコラティエの勲章』 上田 早夕里 (著) 東京創元社
老舗の和菓子店の娘が主人公。二軒先のショコラトリー「ショコラ・ド・ルイ」で、起きた不可解な万引き事件がきっかけで、そのシェフと出会います。
ボンボン・ショコラ、ガレット・デ・ロワ、アイスクリーム、チョコレートなど、さまざまなお菓子が登場。
さまざまなお菓子に隠された人間模様や思い出がミステリアスに描かれた小説です。
『とうに夜半を過ぎて』 レイ・ブラッドベリ (著) 河出書房新社
SFの詩人とも称される作家による小説。『とうに夜半を過ぎて』は、表題作を含む22編の短編集です。
幻想的な作品からな爽やかさが余韻として残る作品まで、さまざまなテイストが味わえます。
「事の起こりはチョコレートの香りだった」という書き出しで始まる『板チョコ一枚おみやげです!』を収録しています。
<一般書>
『チョコレートの世界史』 武田 尚子 (著) 中央公論新社
最初は特急階級の飲料だったのチョコレートが、現在のような形になるまでの歴史です。
原産地の中米のメソアメリカと呼ばれる地域では、カカオは薬や貨幣としても珍重されていました。
カカオはヨーロッパに渡り、劇的に進化することに。
現在のように、美味しいチョコレートを味わえるまで、奴隷貿易と植民地支配など負の歴史もありました。
多面的にチョコレートを知ることができる1冊です。
『カカオとチョコレートのサイエンス・ロマン』 佐藤 清隆 (著), 古谷野 哲夫 (著) 幸書房
栽培から生産まで一貫して同じ地域で行えないチョコレート。
カカオの栽培は熱帯雨林地方に限られ、カカオ豆からチョコレートへの加工は温帯・寒帯地方で行われます。
カカオが固形のチョコレートになるまでの歴史、カカオの栽培、チョコレートの製造工程、チョコレートが持つさまざまな効能など、科学的に解説しています。
サイエンスといっても、一般向けのわかりやすい内容です。
『チョコレート語辞典』 Dolcerica香川 理馨子 (著) 誠文堂新光社
イラストで、チョコレートに関する用語を解説する本です。ページをめくりながら、気になるところから読むことができます。
チョコレートの歴史や製造工程などの基本知識から豆知識まで解説しています。
チョコレートについて知りたい時に、気軽に手に取れる一冊です。
『チョコレート検定公式テキスト』 明治チョコレート検定委員会 (監修) 学研プラス
2016年に始まったチョコレート検定の公式テキストです。
カカオの生態、チョコレートの製造法、歴史、健康効果など、チョコレートに関する事柄をわかりやすく教えてくれます。
基本から網羅的に学ぶことができるため、検定を受検しなくても、チョコレートについて一冊で学びたい時に最適な本です。
『子どもたちにしあわせを運ぶチョコレート』 白木 朋子 (著) 合同出版
カカオの生産地で起きている児童労働について。
現在の児童労働の問題は、チョコレートの消費が拡大していく時代の植民地支配と奴隷労働の歴史からつながっています。
カカオの生態、カカオからチョコレートになるまでの工程の基本知識から始まり、チョコレートの歴史を踏まえて、現在の児童労働の問題とフェアトレードのしくみを分かりやすく解説しています。