カカオは小さくて可憐な花を数多く咲かせます。咲き方は少し個性的です。
カカオ木には一年中、花が咲きます。
15mmほどの小さな花で、色は木の種類によって白、ピンク、黄、赤などさまざまです。
1個または房のようになって、ぶら下がるように下向きに咲くのが特徴です。
枝先だけでなく幹の太いところでも、花を咲かせます。
樹木の幹に直接花が咲き、結実する形態のことを幹生花(かんせいか)といいます。
幹生花は、パパイヤやドリアンなど熱帯の植物によく見られます。
カカオの香りは人間にはほぼ感じられないほどですが、虫が感じられる程度の弱い香りを放って受粉をうながします。
花の構では5弁の花弁、雄しべは10本、うち5本は退化しています。
長い仮雄蕊が特徴的で、これは自家受粉を妨げるためと考えられています。
数千もの花が咲く中で受粉して結実するのは、年間で平均20~30個程度です。